2011/03/06

昔の映像はちょこまかと動く (1)

今、キルギスのテレビで、ロシアから配信されているドキュメンタリー番組を見ている。レーニンの映像がたくさん出てくるので、ソ連の草創期に関する内容ではないかと思う。スターリンも出ているが、内容についてはまったく理解できず…。

まあ、内容の理解については諦めるとして、ロシアのに限らず、昔の映像(映画記録)では、人や馬、車などの動きが、実物よりも速いのをしばしば目にする。例えば「明治40年頃の日本橋の様子」みたいな映像。路面電車も、あんなに速く走っていたら、避《よ》けきれずに轢《ひ》かれてしまうだろうという速さである。

チャップリンの映画も、確か、そんな感じではなかっただろうか。黒の山高帽とスーツに身を包み、ステッキを使った独特の歩き方(がに股?)をするのだが、その歩き方がより滑稽に見えるのは、映像が速く流れているせいもあるだろうと思う。

なんであんな不自然な速さになってしまうのだろう?

おそらく答えは簡単で、撮影機材の性能が今よりも断然低かった当時は、1秒あたりのコマの数が今よりも少なかったためである。映画のフィルムの実物を見たことがない人には説明しづらい話だが、動画というのは、一つひとつは微妙にことなる静止画であるものを、連続して見せることで、それがあたかも動いているもののように人間が錯覚することを利用したものである。1秒あたりに構成する静止画(=コマ)の数が多いほど、映像として動きはスムーズに見える(「ヤザワは4倍」と言っていた某メーカーの液晶テレビも、このことを言っていたのだと理解している)。

テレビ、ビデオは1秒に30コマだったはずである(ハイビジョンの規格は違うのかな?)。正確には知らないが、仮に昔の撮影機の性能が、今の1/3、1秒に10コマだったとすると、今のテレビ映像と3コマに2コマは飛ばして撮影していたことになる。

そうやって撮影したものであれば、1秒に10コマ(1コマ=0.1秒)となるように再生すれば、元のスピードを再現できるわけで、私たちが資料映像で見るようなせせこましい動きにはならずに済むはずなのである。なぜそれをやらないのか。

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