2012/04/03

キルギスでテレビを見る

ビシュケクの団地で独り暮らしをしているが、大家が有料チャンネルを入れてくれて(ん? 支払いはあとで自分がするのかな?)、地上波以外にも衛星チャンネルを見ることができる。

衛星チャンネルの会社はいくつかあるようだが、私の家で見られるのは「ala-tv」というもの。全部で65チャンネルくらいか。

番組のほとんどはロシア語放送。おそらく、ロシアの番組を買ってきて、キルギスで配信しているのではないか。番組を見ていて、1年半以上ロシア語圏の国に住んでいて、自分がほとんどロシア語の会話を理解できないことを痛感されられ撃沈気分を味わうこともしばしば。

ロシア語が分からなくても楽しめるのがスポーツ番組である。ルールを知っている競技であれば、ロシア語実況が何を言っているか分からなくとも、見ていることの意味は分かる。例えば「○○選手は、この試合で引退です」とか「○○チームは、この試合に勝てば今季の優勝が決まります」とか言っていたら、それは分からないことになるが…。

それにしてもサッカー放送は多い。常にやってる。スペイン、イタリア、イングランド、ドイツ、ロシアの各リーグの試合を放送しているから、それだけで1週間なんて時間が足りないくらいである。ワールドカップの地区予選で、日本の試合も放送されたことがあったらしい。

私のお気に入りの番組となっているのは、「マッチ棒クイズ」の番組。

match_quiz1

 

「マッチを一本だけ動かして数式が正しくなるようにせよ」という問題。右辺は変えられない。生放送で、番組に電話をかけて解答を言って、正解ならば12000ルーブルとか13000ルーブルといった賞金がもらえる。どんな問題でも、5分以内には答えが見つかる簡単なものなのだが、1時間くらい誰も正解者が出ない。というかそもそも電話がかかってこない。この番組、本当に生放送? いつも、番組終了1分前になると正解者が現れる。って、それ怪しくない? と疑惑だらけの番組なのであるが、その疑惑の真偽を確かめたくて見てしまうのである…。

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(なぜ、正解が出ない? 司会の女性はずっとしゃべり続けているが、誰がこの番組を見ているのか? 私だけ?)

もう一つは、「Animal Channel」という動物専門チャンネルでやっている、おそらくアメリカの番組をロシア語吹き替えしたもので、「DOG Whisperer」という番組。視聴者から寄せられた、飼い犬に関するお悩み相談に、ドッグトレーナーの男の人(歯がやたらに白い!)が実際に家に訪問して、トレーニングをしてくれる番組である。

「噛み癖のある犬」とかは、日本でもよく見る困ったワンちゃんのパターンであるが、この前は「臆病で散歩に行けない犬」という回があった。家の敷地から出るのを断固拒否。飼い主が紐を引っ張っても、犬が足を踏ん張って動かない。大きなサイズの犬なので、飼い主もヘトヘト。トレーナーも4週間くらいかけて、少しずつ犬の行動を変えていった。感動した、と言いたいくらいの内容であった。

このトレーナーのやっているのはおそらく“行動療法”をベースにしたもので、それは私の仕事でもおおいに参考になる(いちおう書いておくが、動物と障害児を一緒に扱うという意味ではないよ。「行動」というものをどう捉えるか、というアプローチの話である)。

このトレーナーは犬の特性についてよく知っており、犬の立場から状況がどう把握されるかを考えている。それに基づいて犬の行動が変わるようなアプローチをしている。さらに、ねばり強い。犬に対して、一度ですぐに結果を求めない。なんだこれ、自分の仕事にもそのままあてはまるじゃん! と思いながら見ている。

日本では放送されていないのだろうか?

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